【リアル公開】料理ヘタな素人の居酒屋、売上はいくらだった?

会社をやめて約2ヶ月かけ、コツコツ内装やメニューの検討を重ね、開店準備を行いました。
近隣に宣伝チラシをたくさん配布して、オープニングイベントも開催しさぁ、華々しく開店!!
とはせず、看板の電気を灯しただけで、私たちのお店は静かにひっそり開店しました。

私たちは脱サラして「居酒屋でバイト」を始めたのではなく、いきなり「居酒屋を始めた」のです(笑)

それは…お客さんにたくさん来てもらいたくなかったから(笑)

わんたん

来てもらうと嬉しい!…でも、困るのよ

ナツメ

何でよ?儲けたいんだから、みんなに来てもらわなきゃ!

私は一人暮らしをしていましたが、仕事が忙しくてほとんど自炊していませんでした。
実家で暮らしていた時は、母がとても料理が上手だったので、「食べる係」に専念していました(笑)
飲食店でバイトをしたことはありますが、メインはホールと洗い場。料理経験はほぼゼロ。
なのに脱サラして飲食店を始めることにしてしまった!ので、「料理の基本」や「カクテル大全集」的な本を調理場の片隅に忍ばせとうとう開店してしまいました。

果たしてお客さんは来るのでしょうか?はたまた、思ったより稼げるのでしょうか?
会社辞めなきゃ良かった!とか思ってしまうかも?
前記事でお話しした、飲食店「3年以内に25%の店舗は閉店を迎える説」は現実になってしまうのか…

飲食店に興味があるけど未経験だし…と言う方や、準備はしたけど勇気がないと言う方に 少しでも検討する時の参考になればと思います。

もくじ

結論

営業条件は坪数28坪、17時〜22時の1日5時間、月25日営業で素人が約3年半継続した結果がこちらです!

期間月売上
開店から半年約25〜30万円
2年目〜3年目約35万円
3年目〜4年目約40万円

今から改めて振り返っても悲惨な状態ですが、全くの思いつきで始めた素人2名が、よく営業できていたなぁと思います。ひとえに生温かく(笑)見守ってくださった常連さまたちのおかげです。

チョビ

データー通り3年が壁だったんだね

わんたん

これ以上継続しても儲けられないと判断したよ

ナツメ

始める決断より、辞める決断ね

開店前の諸々

営業許可をもらう

飲食店を開くには、お店がお客様に食事や食品を提供するのに適した施設であると言う「営業許可」をもらうと開店できます。
許可をもらうには、保健所による検査をクリアし、食品衛生責任者を登録すれば良いのです。

飲食店を開店するための「許可」をもらうには

  • 自治体、食品衛生協会の講習会に1日参加し、食品衛生責任者の資格を取得する。
  • 営業する施設(お店)で営業許可を取得する。
チョビ

シンプルだねぇ!

営業許可を取得するには以下のような書類を提出し、後日保健所の方が来店して立ち会い検査を受けます。

許可をとるにあたって、所定の申請書類を揃えて保健所に提出しましょう。基本的には以下の書類が必要です。

  • 飲食店営業許可申請書
  • 営業設備の大要・配置図
  • 内装の配置の平面図
  • 場所の見取り図
  • (法人が申請する場合)登記事項証明書
  • (貯水槽や井戸水を利用する場合)水質検査成績書
  • 食品衛生責任者の資格を証明する書類
引用元 payday https://paypay.ne.jp/store-media/tenpo/0009_inshokukyoka/

申請費用も2万円ほどだったと思います。
営業許可に関して、内装に手をつける前に「お店を開店したいんですけど、わからないので教えてくださーい」位のノリで、管轄の保健所に聞きに行くのが一番いいと思います。
申請書や設備、内装の配置図等の作成は、行政書士に頼むと言う手もありますが、3万〜4万円とそれなりに費用がかかります。提出用書類は自分でも作成できますので、ぜひチャレンジしてください!

ナツメ

難しそうな書類〜!
わからないし、できないよー

わんたん

わからなかったら保健所の人に聞いて、自分でやってみましょう

ちなみに、飲食店で料理を提供するのに「調理師」の免許はいりません。
あったらより良いかもしれませんが、なくて困ったこともないです。

チョビ

調理師免許、いらないの?!

ナツメ

いらないけど、料理の腕がいるわよ!
私たちにはなかったけど(笑)

メニューを決める

メニューの内容は一般的に広く好まれる、ベーシックであまり味が変動しにくい品目をメインに考えました。
調理法も提供まであまり時間がかからない簡単なもの、「 焼くだけ、和えるだけ、揚げるだけ」、「切って出すだけ」とかを中心に効率化を徹底。
魚は家で食べられない一人暮らしの男の人が多いのでは? 毎日の晩酌のつまみに適しているのでは? と思い、必ずメニューに入れたかったのですが、肝心の魚の仕入れをどうするかと言う問題にぶち当たりました。

わんたん

魚を仕入れるって言ったら「市場」でしょ!

ナツメ

市場で「魚仕入れたいんだけど…」って聞いてまわればなんとかなるんじゃないかなぁ?

と言うノリで中央市場に行き一般人が入れるギリギリの場所で、聞いて回っていました。
すると、仲買業社の優しい社長さんと知り合うことができ、なんとか取引してもらえることになりました。

チョビ

めっちゃラッキーやん!

わんたん

運も実力のうち〜

お刺身が出せたら少しでも特徴になると思い、魚の捌き方をyoutubeで見てから、魚屋さんの加工場に教えてもらいに行きました。切り方はおぼつきませんが、魚自体が美味しいのでなんとかなりました(笑)

お店には「魚用」「その他用」として下記機械を2台導入しました。
これがめちゃめちゃ優秀!強い味方!で魚もすごくおいしく焼けるし、煙が全く出ない。
今も家で絶賛愛用中です。
先日、このけむらん亭も古くなってきたので、期限が近づいている楽天ポイントで違う魚焼き機を買ってみた。
ですが、やっぱりけむらん亭に戻しました。
焼き魚の味が全く違うので心底驚きました。また後日、このけむらん亭のレビューを書けたらと思っていますが、本気でおすすめしたいです。

開店から半年後 売上 

月売上 約25〜30万円

ゆるく開店してみたら、作業している姿を目にした近隣の方が、恐る恐る入ってきてくれました。
外観は白とブルーの可愛いカフェっぽい感じ。中に入ると魚も食べられて生ビールも飲める居酒屋さん。

「何屋さん?」「喫茶店?お魚も食べれるの?」「お酒も飲めるの?」などと、初めて来てくださったお客様には、いつも最初に聞かれました。
居酒屋を求めているおじさんに、私たちの「カフェっぽい居酒屋」はなかなか見つけてもらえませんでした。戦略失敗(笑)

ナツメ

お店って色のイメージ大事だよね

わんたん

白い建物のお店、てっきりケーキ屋さんだと思って行ってみたら焼肉屋さんだったから驚いたもんねー

お店を見つけてくれた「一人暮らしのおじさん」「年金暮らしのおじいさん」は気軽に来てくれたんですが、元反社会勢力の「一人暮らしのおじさん」や「頑固で説教好きのおじいさん」ような方も多くおられました。

普段は良い方達だったのですが、何かしらの些細なトラブルは常にありました。
お店の雰囲気を良くするために、客層を変えたことで、一時は売上が激減しました。
月25万程度の売上では、必要経費を払ったら毎月10万円以上、完全赤字です。
自分たちの貯金を崩して生活していました。

2年目〜3年目 売上 

月売上 約35万円

客層を変えたことで、一時は売上が激減したのですが、ターゲットが「単身赴任の男性」「一人暮らしの職人さん」「近所のご家族」に変わっていき、毎日来てくれる常連さんがちらほらいらっしゃるようになりました。
また、サラリーマンの方が同僚を紹介してくださったりもして、お店の雰囲気もグッと良くなりました。料理のメニューは大きくは変えませんでしたが、毎日来てくださる方が飽きてしまわないように、日替わりの夕食メニューを作るようになりました。
ですが、売上が大きくは伸びることはありませんでした。

この頃、目と鼻の先のテナントにオーナーがご夫婦のフランチャイズの焼き鳥屋さんが入りました。
開店時にはイベントを打って華々しくオープンし、賑わっておりました。

3年目〜4年目 売上 

月売上 約40万円

この頃、毎月の売上も安定はしてきましたが、正しくは安定というよりも「額自体が低い状態で固定」が正解なのでしょう。
毎日来てくれている常連さんがお盆や正月に「帰省する」とか、「出張で泊まり」とかのある日、初めてお店に一人も来ない営業日が発生してしまいました。
緊急ミーティングです(毎日やってたけど)

わんたん

一人も来ない日が今更発生するのはおかしい…

ナツメ

これが限界だと思うわ

単身赴任の方が転勤でいなくなって、また次の赴任された方が来てくださる…のパターンがよくあるのですが、純粋に来店客数が増えていく感覚がありませんでした。
お店を知っているお客さんの数が3年で増えているはずのに、今更一人もこない日が発生するのはなぜだ?と言う不安と危機感に襲われました。

また、前述したフランチャイズの焼き鳥屋さんがこの月のある日、急に閉店してしまいご夫婦ともいなくなってしまいました。
この売上を現状維持するのが精一杯なんだなというのがはっきりわかった時でした。

ちょうどこの頃、東京から期間限定で単身赴任で滞在されていた常連さんが、お仕事が終了し地元に戻ることになりました。
お別れの食事会で私たちに下さった一言が、大きく流れを変えることになったのです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

アラフォーの女子おひとりさま。
愛犬チョビと同棲中。 某上場企業で営業として約15年勤務する。
転勤族会社員の働き方が嫌になり、脱サラを決意。 現在、元同僚ナツメちゃんとスナックを共同経営。 これから先、楽しく不安がない人生を生きるための術を模索中。

コメント

コメントする

もくじ